May 13, 2006

料亭と腕時計

昨夕、お客様をお連れして
ボスたちと「赤坂の料亭」へ繰り出した。

赤坂の料亭っていうからには
美味しいもの出すんだろうなぁ!
やっぱり食器がいちいち美しくて、
ものすごい気の利いたおもてなしで、
密談が始めるとサッと人が退いたりして…。

妄想だらけの状態で
初めて料亭なるものの敷居を跨ぐが、
結果的には、かなりの失望。

お料理とお酒は特筆すべき点なし。
すごい美味しいわけでもなく、
珍しいわけでもなく、いたって普通。

唯一料亭っぽいのは、男性一人一人の横に
和服の女の子がついてお酌をしたり、
タバコに火をつけるところだけれど、
特別美人って訳でもなかったし、
着てる和服もたいしたことない。
外国からのお客さんだから言葉通じないし、
みんな笑って座ってるだけで、正直ツカエナイ。

というわけで、結局、私が「働く」ハメになった。
お客さんのジョークに率先して笑ったり、
周りの人(お店の子含む)の通訳をしたり、
杯を持って色んな人の話を聞きに行ったり、
意味のわかんない乾杯に付き合ったり。

頭がグルングルンまわる位飲むハメになったけど、
お客様が大変に素敵な方ばかりで、
頭の回転が速いし、ユーモアのセンスもあって、
結構楽しい時間を過ごすことはできたのだ。

メインゲストに至っては、最後に
「君は良い!実に良い!よし、今日から君は僕の妹だ!
今度、社長が出張で僕らに会いに来るときには
是非一緒に来なさい!絶対に君も来るんだよ!」と
大袈裟なハグをし、めでたく解散。
よし、これで今後の交渉もうまく行くだろう、と
ボスは満足そうに頷いたとか、頷かないとか。

問題は今朝起きてからだった。

二日酔いでボーっとしたまま
昨夜脱ぎ捨てたスーツを片付けてると
机の上にゴージャスな腕時計があるではないか。

徐々に昨夜の記憶が蘇ってくる。

「君は僕の妹だ!」と宣言をされた時に
私は、確か、彼の時計をとても褒めていて、
ひどく酔っ払っていた我々は
「気に入ったのか!そうか、じゃあ、妹にあげよう!」
「わーい、有難う、お兄ちゃん!」なんて…。

冷静にその腕時計を観察してみると、
フランク・ミューラー製。
それもフェイスはダイヤで縁取られてるし、
ムーブメントが何だかやたらと特殊だし、
何よりも、裏に「No.01」と入ってる…。

要するに、フランク・ミューラーが限定生産した
特殊モデルの「シリアルナンバー・ワン」ってことですね。
つまり、世界に一つしかない何千万円もする品を
お酒の勢いで貰ってきてしまったわけで…。

私は確かにとーっても図々しいけど、
これは流石に貰えないだろう!!!
と慌てて、うちの会社でミーティングをしていた
彼らのところに腕時計を返しに行った。
お客様の方も今朝になって酷く後悔してたらしく、
「大切な友達から貰ったものなんだよね…。」と、
ホッとした顔で受け取ってくれました、とさ。

いやぁ、料亭デビューに、腕時計事件。
なかなか印象深い一日でした。

chakovsky at 23:33|PermalinkComments(5)
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chakovsky
人との関わりのなかでしか自分を見出せない、action ならぬre-action な人間。数字や詳細に弱く、周りはざっくりとした雰囲気でしか捉えていません。ま、細かいこと言うなよ。な。
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